バーチャルオフィスの料金相場は、月額500〜3万円とサービスによって大きく異なります。
複数の公式サイトを見比べたものの、「いくらかかるのかが把握しづらい」とお困りではないでしょうか。料金を把握・比較するには、サービス内容ごとに合計費用を算出する必要があります。
本記事では、バーチャルオフィスのサービス内容ごとに、料金・費用の相場を紹介します。また、一般的な料金体系を一覧表にまとめていますので、費用感を知りたい方はぜひご覧ください。
バーチャルオフィスの料金・費用相場はどれくらい?
バーチャルオフィスの料金・費用相場は、以下のとおりです。
バーチャルオフィスの種類 | 月額料金・費用相場 |
---|---|
バーチャルオフィス型 | 500~1万円 |
レンタル・シェアオフィス型 | 5,000~3万円 |
利用するサービスの形態によって相場感が異なるのが特徴です。「バーチャルオフィス型」と「レンタル・シェアオフィス型」は、以下の点で違います。
- バーチャルオフィス型:住所貸しをメインに行うサービス形態
- レンタル・シェアオフィス型:スペース貸しをメインに行うサービス形態
双方の違いは、実態のある物件・スペースを貸し出すか否かです。「レンタル・シェアオフィス型」は、スペースの貸し出しをメインに行うため、「バーチャルオフィス型」に比べて月額料金が高く設定されています。
バーチャルオフィス型:500~1万円
ここでは、バーチャルオフィス型のサービス内容ごとに、料金・費用相場を紹介します。
利用サービス | 月額料金・費用相場 |
---|---|
住所のみ | 500~1,000円 |
住所+郵便物転送 | 1,500~2,500円 |
住所+郵便物転送+電話転送 | 4,000~5,000円 |
住所+郵便物転送+電話秘書代行 | 6,000~10,000円 |
住所のみ:500~1,000円
一般的に、バーチャルオフィスの住所貸しは、「個人事業主・フリーランス用」と「法人用」とに分かれます。両サービスの違いは、「住所を登記住所として利用できるか否か」です。
個人事業主・フリーランス用は料金が安く、月額500円前後が相場です。一方、法人向けの住所貸しは、月額1,000円前後で利用できます。
以下は、 GMOオフィスサポート の「個人事業主・フリーランス用住所貸しサービス」を利用した場合の料金詳細です。
住所+郵便物転送:1,500~2,500円
「住所+郵便物転送」を利用する場合の料金・費用相場は、月額1,500〜2,500円です。郵便物転送とは、バーチャルオフィス住所へ届いた郵便物を、自宅など任意の住所へ転送してくれるサービスです。
月々の料金は、以下の計算式で算出します。
- 基本料金+郵便物転送料(0〜500円/回)=郵便サービス料金
なお、ほとんどの場合、郵便物の転送回数を「月1回・隔週・週1回」から選択できます。転送料は1回の転送ごとに発生するため、頻度が高くなるにつれ料金も高くなる仕組みです。
以下は、 レゾナンス で「住所利用+郵便物転送」を利用した場合の料金詳細です。
住所+郵便物転送+電話転送:4,000~5,000円
「住所+郵便物転送+電話転送」を利用する場合の料金・費用相場は、月額4,000〜5,000円です。電話転送とは、レンタルした番号への着信を任意の番号へ即時転送するサービスのことです。
名刺やホームページにレンタルした電話番号を表示できるため、プライバシーを保護したい方におすすめです。なお、電話転送の月額料金は、以下の方法で算出できます。
- 基本料金+通信料(17〜18円 / 1分)=電話転送料金
なぜ、着信側にも料金がかかるのかというと、転送のためにレンタルした電話番号から任意の番号へ発信する仕組みだからです。もちろん、電話を発信した側にも通信料はかかりますが、転送によって着信側にも請求が行くため注意しましょう。
以下、 METSバーチャルオフィス で「住所+郵便物転送+電話転送」を利用した場合の料金例です。
住所+郵便物転送+電話秘書代行:6,000~10,000円
「住所+郵便物転送+電話秘書代行」の相場は、月額6,000〜10,000円です。電話秘書代行とは、受電があった際にバーチャルオフィスのスタッフが一次応対をし、相手の名前・要件・折り返し先をメールで送信してくれるサービスです。
バーチャルオフィスによって、基本プランに含まれていたり、オプションとして提供していたりと、提供方法が異なります。月額料金の算出方法は、以下のとおりです。
- 基本プランの場合:基本料金+※通信料=電話秘書代行料金
- オプションの場合:オプション料金+※通信料=電話秘書代行料金
※通信料=コール回数(=月間無料回数−月間のコール回数)×コール単価
以下、 ユナイテッドオフィス で電話秘書代行サービス付きの「Tele BOX Ⅱ」プランを選択した場合の料金例です。
レンタル・シェアオフィス型:5,000~3万円
レンタル・シェアオフィス型の料金・費用相場は、月額5,000〜3万円です。一般的には、住所だけではなく実際の作業スペースも併せて借りることになります。
なかには「バーチャルオフィスプラン」が用意され、住所のみ借りられるレンタルオフィスもあります。ただし、その場合でも月額料金は5,000円〜が相場です。理由として、店舗運営に人件費がかかっていること、安くしてしまうと客単価が大きく下がってしまうことなどが考えられます。
レンタル・シェアオフィス型の料金は、以下の計算式で算出します。
- 基本料金+管理費+オプション料金=料金
一般的に、住所貸しは基本料金に含まれていることがほとんどです。なお、基本料金は、店舗の立地や借りるスペースの広さなどによって大きく異なります。できるだけ費用を抑えつつ、住所と作業スペースを借りたい方は、都心から離れた店舗や少人数用のスペースを検討しましょう。
バーチャルオフィスの料金・費用体系
ここでは、バーチャルオフィスの料金・費用体系を紹介します。以下、費用項目ごとに、内訳と料金の相場をまとめています。
項目 | 内容・内訳 | 料金相場 |
---|---|---|
初期費用 | ・入会金: | 0~10,000円 |
・保証金: | 0~10,000円 | |
月額基本料金 | ・バーチャルオフィスの利用料: | 月額500~10,000円 |
月額オプション料金 | ・電話転送: | 月額2,000円程度 |
・プライベートロッカー: | 月額2,000~3,000円 | |
・電話秘書代行: | 月額4,000~8,000円 | |
・屋号追加: | 月額1,600円程度 | |
郵便物転送料や通信料(実費+手数料) | ・郵便物転送料: | 300~900円/回 |
・電話転送料: | 3~30円/分 | |
・FAX送信料: | 0~30円/回 | |
・会議室利用料: | 500~1,200円/時間 |
初期費用
バーチャルオフィスの初期費用としてかかるのは、入会金と保証金です。保証金とは、万が一支払いが滞った場合に使用される預かり金のことです。
基本的に、保証金を支払うのは入会時の1度だけです。しかし、一部のバーチャルオフィスでは、デポジットとして実費の郵便物転送料や通信料の支払いに充当する場合もあります。
こうしたサービスでは、残金が不足すると転送サービスを受けられなくなるため注意が必要です。入金の手間を省きたい方は、デポジットを使用しないバーチャルオフィスを選びましょう。
基本料金
バーチャルオフィスによって、基本料金に含まれるサービス内容が異なります。参考例として、料金体系が異なる2パターンを表にまとめています。
基本料金のサービス内容 | オプションサービス | |
---|---|---|
バーチャルオフィスA | ・住所貸し ・住所貸し(法人登記可)+郵便物転送 | ・電話転送 ・電話秘書代行 ・貸し会議室 |
バーチャルオフィスB | ・住所貸し+郵便物転送 ・住所貸し+郵便物転送+電話転送 ・住所貸し+郵便物転送+電話秘書代行 | ・貸し会議室 |
上記表Aの場合、電話関連サービスを利用する際は、基本料金に加えて、別途オプション料金と通信料がかかる仕組みです。一方、上記表Bは基本料金に組み込まれているため、別途で支払うのは通信料金のみです。
オプション料
一般的に、オプション料金が発生するのは、以下のサービスです。
- 電話転送
- 電話発着信
- 電話秘書代行
- プライベートロッカー
- 郵便物の即時転送
- 郵便物への屋号追加
- FAXサービス
提供されているオプションサービスの内容と料金は、バーチャルオフィスによって異なります。たとえば、電話転送や電話秘書代行がオプションではなく、基本プランに含まれているケースもあります。
上記のサービスを利用し、かつ料金体系の異なるサービスを比較する際は、総額料金で計算することが重要です。
各種手数料・通信料
バーチャルオフィスの手数料・通信料は、主に以下のものが挙げられます。
項目 | 内容・内訳 | 料金・費用体系 |
---|---|---|
郵便物関連 | 転送料:定形・定形外郵便 | 100g以下:0〜200円/回 250g以下:350〜400円/回 500g以下:400〜500円/回 |
転送料:レターパック | ライト:370〜600円/回 プラス:520〜1,000円/回 | |
即時転送料 | 550〜1,100円/回 | |
電話関連 | 通信料:着信 | 携帯:18〜25円/分 固定電話:2.5〜4円/分 |
通信料:発信 | 携帯:33〜50円/分 固定電話:22〜40円/分 | |
オーバーコール | 100〜200円/コール | |
FAX関連 | 通信料:受信 | 0〜10円/枚 |
通信料:送信 | 30〜100円/枚 |
手数料・通信料の料金体系は、バーチャルオフィスによって大きく異なります。郵便物転送・電話転送の利用をお考えの方は、各サービスの公式サイトにて料金の詳細を確認してください。
バーチャルオフィスの料金・費用に関してよくある質問
ここでは、バーチャルオフィスの料金・費用に関するよくある質問と回答を紹介します。
申込時にかかる料金は平均でどれくらいですか?
バーチャルオフィスの申込時にかかる料金は、0〜4万円が相場です。一部で、初期費用を無料にしているサービスもありますが、基本的には料金が発生します。
以下、申込時にかかる費用項目と料金相場です。
費用項目 | 料金相場 |
---|---|
入会金 | 0〜10,000円 |
保証金 | 0〜10,000円 |
基本料金初回支払い分 | 月額払い:数カ月分 年額払い:12ヶ月分 |
郵便物転送・電話転送に対応した上位プランを利用し、なおかつ年額払いを選択した場合は、申込時にかかる料金が数万円になる可能性があります。料金を抑えたい方は、入会金や保証金が無料のサービスや、月額払いに対応したサービスを選ぶのがおすすめです。
どのような支払方法がありますか?
ほとんどのバーチャルオフィスが対応している支払い方法は、「クレジットカード払い」です。なお、一部では、以下の支払い方法も利用できます。
- 銀行振込
- 口座振替
- デビットカード
- QRコード決済
上記4つの支払い方法は、バーチャルオフィスによって対応可否が分かれます。クレジットカード以外の方法を利用したい方は、各サービスの公式サイトにて対応しているかどうかを確認してください。
どのように仕訳すればいいのですか?
バーチャルオフィスの利用料は、事業目的で利用している限り、経費として計上できます。ただ、同時に物理的なスペースを借りているか否かによって、勘定科目が異なる点に注意が必要です。
- 住所貸しのみの利用料:「支払手数料」
- 物理的なオフィスも一緒に借りている場合の利用料:「賃借料」
バーチャルオフィスは、実際の建物やスペースを借りるわけではないため、賃借料での計上ができません。一方、賃貸契約書を交わしており、レンタルオフィスやシェアオフィスのサービスも一緒に利用している場合は、バーチャルオフィス利用料も含め「賃借料」で計上します。
なお、郵便物転送や電話転送などのオプションサービスを利用する場合は、それぞれ適切な勘定科目を用いて仕訳します。
勘定科目 | 費用項目 |
---|---|
通信費 | 郵便物転送基本料金・手数料 |
電話転送料金・通信料 | |
FAX利用料・通信料 | |
会議費 | 会議室利用料 |
外注費 | 電話秘書代行利用料 |
参考として、以下の条件でバーチャルオフィスを利用した場合の仕訳例を、表にまとめています。
- 入会金:10,000円
- 保証金:5,500円
- 基本料金(1年払い):10,560円
- 電話秘書代行サービス:10,000円
借方 | 貸方 | |||
---|---|---|---|---|
入会金 | 支払手数料 | 10,000円 | 普通預金 | 10,000円 |
保証金 | 保証金 | 5,500円 | 普通預金 | 5,500円 |
基本料金 | 支払手数料 | 10,560円 | 普通預金 | 10,560円 |
電話秘書代行サービス | 外注費 | 10,000円 | 普通預金 | 10,000円 |
バーチャルオフィスを安く利用する方法
バーチャルオフィスを安く利用するには、以下の方法が効果的です。
- 1年払いを選択する
- 入会金・保証金が無料のサービスを選ぶ
- 必要最低限の料金プランを利用する
- 格安のバーチャルオフィスを利用する
- キャンペーンを活用する
バーチャルオフィスの料金が高くなる大きな要因は、「プラン内容が充実した高額サービスを契約していること」と「オプションサービスを利用していること」です。高額なバーチャルオフィスは、サービス内容が充実していたり、品質が高かったりなどのメリットがありますが、費用が高く負担になる恐れがあります。
また、バーチャルオフィスの電話関連サービス・レンタルロッカーなどは、専門のスマホキャリアやトランクルームサービスと比較して高めの料金設定です。そのため、バーチャルオフィスを安く利用したい方は、必要最低限の料金プランを選択し、別途で各種サービスを検討すると良いでしょう。
500円程度!格安のバーチャルオフィスを4つ紹介
月額500円程度で利用できる、おすすめの格安バーチャルオフィスは以下の4つです。
バーチャルオフィス名 | 月額料金 |
---|---|
METSバーチャルオフィス | 270円~ |
TAPIOCA | 411円~ |
オフィスゼロワン | 459円~ |
スタートアップ | 468円~ |
上記のバーチャルオフィスは、Mr.バーチャルオフィスが公式サイト・口コミを調査し、独自に信用できると判断したサービスです。なお、これほどまでに料金が安い理由について、各サービスの公式サイトを参照し、以下にまとめています。
- METSバーチャルオフィス :自社ビル直営のため物件の賃料がかからない
- TAPIOCA :広告宣伝費の徹底的なコストカット
- オフィスゼロワン :東京23区内の地価が安い地域に店舗を出店
- スタートアップ :必要最低限のプランを突き詰め運営コストを削減
そのほか、月額500円前後で利用できるバーチャルオフィスを、以下の記事で比較しています。利用するうえでの注意点もまとめていますので、興味がある方はぜひご覧ください。
バーチャルオフィスを料金だけで選ぶリスク・注意点
バーチャルオフィスを料金だけで選ぶと、以下のリスクに直面する恐れがあります。
- 運営事業者の倒産リスク
- 信用に傷のある住所で自社の評判に影響するリスク
- ビルのグレードが著しく低いリスク
- 各種手数料・オプション料金が高額な可能性
すべての格安バーチャルオフィスではないものの、なかには会員の獲得を目的に、収益性を度外視した低価格プランを提供する事業者が存在します。この場合、上記のリスクが顕在化する可能性が高いため、注意が必要です。
バーチャルオフィスを選ぶ際は、料金面のみならず、以下のポイントを確認しましょう。
- 事業者の信用
- サービスの運営実績
- 評判・口コミ
複数のバーチャルオフィスを正しく比較し、ご自身や事業にあったサービスを選定してください。
どれくらいの料金・費用がかかるのかを理解しておこう!
本記事では、バーチャルオフィスの料金・費用相場を紹介しました。サービス形態ごとに費用相場が大きく異なりますが、バーチャルオフィス型の場合は、500〜1万円で利用できます。
利用サービス | 月額料金・費用相場 |
---|---|
住所のみ | 500~1,000円 |
住所+郵便物転送 | 1,500~2,500円 |
住所+郵便物転送+電話転送 | 4,000~5,000円 |
住所+郵便物転送+電話秘書代行 | 6,000~10,000円 |
バーチャルオフィスの料金を比べるには、上記表のように利用するサービスの月額料金を算出して比較することが大切です。ただし、料金のみで選ぶと、さまざまなリスクに直面する恐れがあります。
バーチャルオフィス選びで失敗しないためにも、複数の視点から自分に合ったサービスを見つけてみてください。以下の記事では、料金・サービス内容・こだわりポイントなど、さまざまな観点からバーチャルオフィスを比較しています。
サービスを選ぶ前の確認項目や選定ポイントもまとめていますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。