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個人事業主は自宅以外の住所を使用すべき?ケース別に解説

高橋 暁人

個人事業主は自宅以外の住所を使用すべき?ケース別に解説

個人事業主としてビジネスを始める際には、さまざまな場面で住所の記載が必要となります。記載する場面によっては、自宅以外の住所を使用したくなることもあるでしょう。

この記事では、個人事業主は自宅以外の住所を使用すべきか、ケース別でわかりやすく解説しています。住所取得の必要性や、具体的な方法も紹介しています。

適切な住所を設定して、スムーズに事業をスタートさせましょう。

【ケース別】個人事業主は自宅以外の住所を使用すべき?

個人事業主の住所として自宅以外を記載すべきか、以下の5つのケースごとに詳しく見ていきましょう。

開業届:賃貸物件の場合は、自宅以外がおすすめ

開業届:賃貸物件の場合は、自宅以外がおすすめ

個人事業を新たにスタートしたときは、納税地管轄の税務署長宛に開業届を提出します。開業届には「納税地」と「上記以外の住所地・事業所等」の2つの住所記入欄があります。

納税地の記入欄は、自宅以外の住所を記入しても問題ありません。以下のいずれかの住所を選択することが可能です。

記入欄の選択肢記入する住所
住所地住民票上の住所
居所地生活の本拠ではないが、相当期間継続して居住している住所
事業所等事業所等の所在地

開業届の納税地欄には、住所地を記載するのが原則です。開業届に記載した住所が他人に知られることはありません。

ただし、住所地が賃貸物件の場合は注意してください。居住用の賃貸借契約では、ほとんどの場合、事務所や店舗としての使用が禁止されているからです。

賃貸契約書で使用目的が居住用とされている物件を、許可なく事業用として使用すれば契約違反となり、トラブルに発展する可能性があります。未然に防ぐには、事前に賃貸借契約書を確認しましょう。

また、税務署からの通知は、開業届の納税地欄に記載した住所に送付されます。確実に受け取るため、自宅のポストに事業者名を表示すると、大家さんにバレる恐れがあるので注意しましょう。

住所地として賃貸物件の記載が難しい場合は、同意を得たうえで、実家の住所を記載する方法もあります。ただし、実家に税務署からの書類が届くことと、住民税の均等割り課税が発生する可能性がある点には注意が必要です。

実家住所の使用も難しい場合は、事務所やバーチャルオフィスなどの利用をおすすめします。

名刺やホームページ、販促物:自宅以外がおすすめ

名刺やホームページ、販促物:自宅以外がおすすめ

名刺やホームページ、販促物には、住所の記載が基本です。なぜかというと、記載がなければ信頼性を確保できなかったり、郵送物の受け取りができずに機会損失となったりする恐れがあるからです。

しかし、不特定多数への自宅住所の公開が不安要素となる場合もあります。たとえば、ストーカー被害やいたずらによる訪問などの可能性が挙げられます。

自宅以外の住所を用意しておけば、プライバシーを守りつつ適切な情報公開が可能です。信頼性も確保できます。

銀行融資:事業実態のある住所が基本

銀行融資:事業実態のある住所が基本

個人事業主として銀行融資を受ける際の記載住所は、自宅でも自宅以外でも問題ありません。ただし、審査時に事業実態のある住所かどうかが厳しくチェックされます。

バーチャルオフィスなどの住所では事業実態がない(=実際にその場所で仕事を行っていない)ケースが多いため、審査が通らない銀行が多いです。自宅以外の住所を利用すること自体に問題はありませんが、融資審査を受ける際は、自宅など確実に事業実態を確認できる住所を記載しましょう。

補助金などの各種制度:自宅住所の記載が基本

補助金などの各種制度:自宅住所の記載が基本

個人事業主が国や自治体による補助金などを利用する場合は、基本的に住民票に記載されている住所を記載します。なぜなら、住所の相違によって、補助金などの審査が通らなくなる可能性があるからです。

ただし、事業用途での補助金申請において、事業主の住所とは異なる場所に事業所がある場合は、記載を求められるケースもあります。必要な書類や記載事項は、補助金や扱う窓口によって異なるので注意しましょう。

自宅以外の住所の記載について不明な点があれば、事前に窓口で確認しておくと安心です。

個人事業主(屋号付き)口座:自宅住所の記載が基本

個人事業主(屋号付き)口座:自宅住所の記載が基本

屋号付き名義で口座開設を希望する場合は、自宅住所の記載が基本です。なぜかというと、申込みフォームへ入力する住所は、本人確認書類として提出する住所と一致させる必要があるからです。なお、屋号付きの口座を申し込む際に、屋号での事業実態が確認できる書類として、賃貸契約書等を求められることはあります。

なお、個人事業主用の口座を開設できる金融機関のなかには、屋号付きでの口座開設に対応していないところもあります。検討されている方は、事前に確認しておきましょう。

個人事業主が自宅以外の住所を取得する必要はある?

個人事業主が自宅以外の住所取得を必要とするケースと、必要のないケースをそれぞれ解説します。

必要なケース:プライバシー保護や信用力の向上を目的とする場合

プライバシー保護や信用力の向上を目的とする場合

以下のケースでは、自宅以外の住所取得がおすすめです。

  • プライバシー保護の観点から、自宅住所を公開したくない
  • 賃貸物件に居住していて、契約上、自宅住所を公開できない
  • 立地の良さで事業の信頼性を向上させたい
  • 開業にかかる費用を抑えたい

個人事業主としてホームページや名刺を作成する際など、広く情報を公開する場面では、自宅住所の表記に不安を感じる方もいます。しかしユーザーや取引先、顧客から見ると、事業主の公開情報に住所の記載がないことで、不信感や不安感を抱く可能性があります。

プライバシーを守りながら信用力を確保するために、自宅以外の住所を取得しておくと安心です。一等地などの住所を取得できれば、事業者としての信頼性向上にも役立ちます。

必要ないケース:自宅住所を公開する場面がない場合

以下に該当する場合は、あえて自宅以外の住所を用意する必要はありません。

  • 自宅住所の公開に抵抗や支障がない
  • ホームページや名刺を作成する必要がない
  • 自宅以外に店舗や事務所を確保できている

個人事業主の事業住所を自宅以外にする方法4選

個人事業主の事業住所を自宅以外にするには、以下の4つの方法があります。

方法サービス内容などコスト法人登記
バーチャルオフィス住所のレンタル
郵便物や荷物の受け取り
低い
私設私書箱郵便物や荷物の受け取り低い不可
フレキシブルオフィスレンタルオフィスやシェアオフィスなど、柔軟なスタイルで利用できるオフィスサービス契約によるオフィスによる
賃貸物件個別契約による賃貸高い

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

1.バーチャルオフィスを利用する

バーチャルオフィスを利用する

バーチャルオフィスとは、実際のオフィスではなく、住所のみをレンタルできるサービスです。手軽に自宅以外の住所を用意できます。

サービスごとに内容は異なりますが、住所利用のほかに以下のようなオプションサービスも利用できます。

  • 郵便物の受け取り・転送
  • 電話対応代行・転送
  • 留守番電話
  • FAX
  • コワーキングスペース・会議室

月額1,000円前後と、リーズナブルな価格で利用できる点がバーチャルオフィスの大きな魅力です。取得した住所は、個人事業の所在地としてはもちろん、開業届や法人登記にも利用できます

サービスの利用自体には違法性がなく安心して使えますが、使い方によっては法に触れる可能性があります。詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

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2.私設私書箱を利用する

私設私書箱イメージ

私設私書箱とは、個人でも法人でも手軽に利用できる、民間の有料サービスです。

住所をレンタルし、事業所の所在地として利用できる点はバーチャルオフィスと同じですが、私設私書箱は開業届や法人登記の住所としては利用できません。主に以下の用途で利用できます。

  • 郵便物や荷物の受け取り・保管
  • 郵便物の通知
  • オンラインでの内容確認
  • 郵便物の転送
  • 郵便物の廃棄

月額料金は500~2,000円程度。指定場所に来店して、郵便物を受け取ることも可能です。オプションで電話代行を依頼できるサービスもあります。

私設私書箱の利用に違法性はありませんが、銀行の口座開設や開業届・法人登記の住所として利用できないといったルールもあるので注意してください。

3.フレキシブルオフィスを利用する

フレキシブルオフィスを利用する

フレキシブルオフィスは一般的な事務所とは異なり、柔軟なスタイルで利用できるオフィスの総称です。以下のように複数の種類があり、それぞれに特徴があります。

種類オフィススペース利用スタイル
コワーキングスペースオープンスペース占有スペースがない
コミュニケーションの場としても利用できる
シェアオフィス複数の事業者や法人でスペースを共有個別または共有スペースを決めて、利用できる
レンタルオフィス個室レンタルプライバシーやセキュリティ環境を確保して作業できる
サービスオフィスサービス付き個室レンタル個室オフィスだけでなく、電話対応や来客案内などの事業サポートも受けられる
セットアップオフィス内装や設備が整ったオフィスのレンタル内装や設備の導入を必要とせず利用できる

いずれのサービスも、契約期間などを柔軟に選択できる点が魅力です。一方で、共有利用による、セキュリティ面でのリスクの高さがデメリットと言えます。

費用は地域や施設、サービス内容によって大きく変動します。月額費用の目安は、3,000~30,000円程度です。設備や作業環境が整っているため、初期費用や退去費用は抑えられますが、月額のコスト負担は比較的高額になります。

4.賃貸物件を借りる

賃貸物件を借りる

最も一般的なのは、事業所として賃貸物件を借りる方法です。以下のような初期費用とランニングコストがかかります。

費用内容
初期費用・保証金、敷金、前家賃、仲介料、火災保険料など
・内装リフォーム費用
・設備什器などの導入費用
ランニングコスト・家賃・共益費
・水道光熱費
・インターネット回線
・防犯・セキュリティ対策費用

賃貸物件を契約して事務所を開設する場合は、初期費用だけで百万円単位の資金が必要です。たとえば家賃200,000円の貸事務所で、敷金6ヵ月、礼金1ヵ月の場合の初期費用は、おおよそ1,820,000円となります。内訳は以下のとおりです。

費用金額
敷金(6ヵ月分)1,200,000円
礼金(1ヵ月分)200,000円
仲介手数料(1ヶ月分)200,000円
前家賃(1ヶ月分)200,000円
火災保険料(2年更新)20,000円
合計1,820,000円

家賃は物件の立地や規模によって異なりますし、契約時に加入するサービスや仲介料などは不動産業者によって変動します。検討する際は、事前に見積りを取りましょう。仲介手数料など、交渉できる費用もあります。

賃貸物件を借りて事務所を構えれば、社会的信用を得やすく、自由に使える作業スペースも確保できる点がメリットです。しかし、高額な費用負担が継続的に発生します。契約までに数週間かかるので、急ぐ場合にも注意が必要です。

自宅以外の住所が取得できる!とくに有名な事業者をご紹介

自宅以外の住所を獲得するためにおすすめの、知名度の高い事業者を紹介します。なお、賃貸物件は、居住地域によって最適なものが大きく異なるため、事業者比較をしていません。

バーチャルオフィス:10事業者

バーチャルオフィスのおすすめ事業者は、以下の10社です。

サービス名月額基本料金
(個人利用)
月額基本料金
(法人登記)
入会金
GMOオフィスサポート ・660円~・1,650円~・0円
レゾナンス ・990円~・990円~・5,500円
※保証金1,000円〜
DMMバーチャルオフィス ・1,650円~
※ネットショップは660円~
・1,650円~・5,500円
※保証金5,000円
METSバーチャルオフィス ・270円~・1,430円~・3,300円
※別途で事務手数料+550円
京都朱雀スタジオ ・550円~・550円~・0円
※法人は6,600円
バーチャルオフィス1 ・880円~・880円~・5,500円
ユナイテッドオフィス ・2,310円~・2,310円~・6,000円
※保証金10,000円
ワンストップビジネスセンター ・5,280円~・5,280円~・10,780円
※ビジネスプラン以上は保証金5,000円
Karigo ・3,300円~・4,700円~・5,500円~
※利用店舗によって異なる
NAWABARI ・1,100円~・1,650円〜・0円
※税込表示

私設私書箱:5事業者

私設私書箱のおすすめは、以下の5つのサービスです。

サービス名月額基本料金
(個人利用)
月額基本料金
(法人利用※登記不可)
入会金
eポスト・3,300円
※年間契約で1ヶ月分無料
・6,600円
※年間契約で1ヶ月分無料
・550円
MT私書箱センター・3,300円
※年間契約で1ヶ月分無料
・6,600円
※年間契約で1ヶ月分無料
・2,750円
→キャンペーン中につき550円
私書箱SRS・1,500円
※店舗によって異なる
・3,980円
※店舗によって異なる
・1,000円
上野私設私書箱センターSBC・3,780円
※月2件以下であれば324円/月
・6,480円・1,080円
クラウド私書箱サービスMailMate・1,800円〜・12,200円〜・0円
※税込表示
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フレキシブルオフィス:5事業者

フレキシブルオフィスのおすすめは、以下の5つの事業者です。

サービス名特徴日本国内の拠点オフィス形態
リージャス・国内最大規模のフレキシブルオフィス事業者
・4つのブランドを展開
185(2024年2月現在)・レンタルオフィス
・コワーキングスペース
・バーチャルオフィス
・時間貸し会議室
H¹O(エイチワンオー)・首都圏を中心として、関西と九州にも拠点をもつサービス
・駅からのアクセスが良好な立地
21(2025年2月現在)・レンタルオフィス
・サービスオフィス
クロスオフィス・首都圏でのワークプレイス提供サービス
・駅からのアクセスが良好な立地
7(2025年2月現在)・コワーキングプラン
・専用デスクプラン
・サービスオフィスプラン
ビジネスエアポート・コンシェルジュ常駐で充実したサポートが受けられる
・利用者同士の交流会などで企業間のコミュニケーションをサポート
・駅からのアクセスが良好な立地
20(2025年2月現在)・レンタルオフィス
・シェアオフィス
・サービスオフィス
・会議室・イベントスペース
SERVCORP・世界50拠点以上の拠点も利用可能
・バイリンガル秘書など、グローバルビジネスのサポートも充実
29(2025年2月現在)・レンタルオフィス
・バーチャルオフィス
・コワーキングスペース
・貸会議室

個人事業主が自宅以外の住所を取得した後に必要な手続き

自宅以外の住所を取得した後に、個人事業主として必要となる手続きについて解説します。

これから開業する方:開業届に記載する

新規開業の場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書」に取得した住所と必要事項を記入して、納税地の税務署に提出します。納税地の欄に、バーチャルオフィスなどの住所を記入する場合は、「事業所等」にチェックを入れてください。なお、私設私書箱は、開業届の住所として利用できない点に注意しましょう。

納税地欄で事業所等の住所を記載した場合は、すぐ下の「上記以外の住所地・事業所等」の欄に住所地もしくは居所地を記載しましょう。

すでに開業している方:届け出は基本的に不要

税務署に開業届を提出済みの場合、後日自宅以外の住所を取得したとしても、届け出の必要はありません。確定申告書に記載すれば、変更されます。令和4年までは届け出が必要でしたが、令和5年1月1日以降は不要となりました。

不要ではありますが、自主的な変更届の提出も可能です。納税地の税務署で随時受け付けしています。

自宅以外の住所を活用して、円滑に事業を進めよう!

住所を自宅にすべきか、自宅以外にすべきかが分かって、晴れ晴れとしている個人事業主の画像

個人事業主としてビジネスを始める際には、自宅以外の住所を用意しておきたい場合があります。開業届やホームページ、名刺などは、自宅以外の住所の記入が可能です。

賃貸の自宅で事業を始めたい場合や、ホームページなどで自宅住所を記載したくない場合などには、以下の方法を検討してください。

  • バーチャルオフィス
  • 私設私書箱
  • フレキシブルオフィス
  • 賃貸物件

コストを抑えて自宅以外の住所を用意するには、リーズナブルで柔軟性のあるバーチャルオフィスがおすすめです。私設私書箱も住所を借りられる点では同じですが、開業届や法人登記の住所としては使用できないので、注意が必要です。

以下の記事では、おすすめのバーチャルオフィス11選を徹底比較しています。あなたにぴったりの、最適なサービスを選択するために役立ててください。

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